私は中学生の頃に女子から冷やかしを受けて、
大学生になるまで女性とまともに喋れなくなった過去がある。
「周りにどう思われるか気になる」
「また冷やかしを受けるんじゃないか?」
そんな気持ちから始まり、
高校生に上がる頃には心を完全に閉ざしてしまった。
高校生の頃に良く言われていた言葉は、
「言葉がきつい」
「冷たい」
「冷血」
など言われていて、
いつしか何も感じなくなって行った。
その当時の私の心境は、
「お前たちのせいだ」
「誰も信用できない」
「こいつらを見返してやる」
と、どんどん鋭さを増していった。
何も変化がないまま卒業し、大学生になる。
大学に入っても環境が変わっただけで、
私自身は何も変わらなかった。
変わるきっかけになったのは、
貯金も尽きて、
レジのアルバイトを始めたことである。
大型のショッピングモールの中にあるレジは、
同年代の学生から20代後半までの女性が多かった。
男性は同年代の子が4人程。
バイトを始めたばかりの頃は、
レジを教えるために先輩が横並びで立って指導する。
私が出勤する時間帯はお客さんが少なく、
周りのレジの人は隣同士でお喋りをしたりするが、
私のレジだけ会話がない。
「このままではまずい!何か話しかけないと」
そう思うけど周りの目を気にし、
話がかけられないまま日にちが過ぎていく。
「何を話したらいいんだろうか?」
「どう話しかけたらいいんだろうか?」
何度自問したかわからないし、
時間が経つに連れて話しかけづらくなる。。
働き始めて1週間がたった。
同期の男の子は普通に話をし笑わしている。
どんどん取り残されていくように感じる。
高校生の頃もそうだった。
「このままじゃ嫌だ!」
本気でそう思い、
意を決して横の人に話しかける。
「あの、昨日学校へ行こう見ました?」
「見てない」と無表情で返された。
滅茶苦茶恥ずかしかった。
滅茶苦茶気まずかった。
その後会話が続かなかったけど、
あそこで勇気を出して話をかけてから、
私の中で何かが変わった。
バイトが楽しくなったし、
飲み会の企画をしたりもした。
きっかけは人それぞれだけど、
自分の壁は自分で乗り越えるしかない。
今でもそう思う。